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10月4日、那智大社にて能楽を鑑賞

私達は京都を出て5時間かけて那智大社に到着しました。

遅刻して開演寸前となり、宮司の挨拶にぎりぎり間に合いました。本来は屋外の滝の脇で演じられる予定が、あいにくと雨の為、本殿の社屋を使い、観客にはテントが張られていました。

舞台そでには薪が燃え、雨の音がかえって効果的に妖しい演出を助長しています。

冒頭に若い語り手が現代語で予めストーリーの概要をつかむことが出来るように工夫されおり、能楽初めての鑑賞者の我々には嬉しい配慮がされていました。

演目は「神武」、ヤマト王権を確立した神武天皇の神話です。

宝生流の能楽師、辰巳万次郎氏が演出・主演をしています。

ある旅人が神武天皇の神霊や八咫烏等に出会い、日本を統治する役割の天皇が誕生するまでの物語を旅人との対話で幽玄の世界を演出しています。

強くなる雨の中、クライマックスでは神武天皇が、雨の降りしきる中央の石畳に舞台の階段から飛び降りてピタッ!と着地する場面があり、観客が驚きすごい歓声と拍手がわきました。

能楽は初の鑑賞でしたが、その神秘的で妖艶な動作や言葉とともに、すっかり幽玄の世界に惹きこまれ楽しめました。素晴らしかった!日本の伝統文化の象徴である能楽は、日本人がもっともっと楽しんで良い芸術だと改めて感じました。

 

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