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熊野速玉大社へのご訪問が急遽7月1日に確定して急ぎご訪問しました。
熊野の聖地は本宮大社、那智大社、速玉大社の三山で守られています。今年の奉納画の内、速玉大社だけは宮司への伝手が無く、地元の有志の方で岩澤さんと前岡さんのご協力をいただき遂に上野宮司様と接見する調整をして頂きました。
宮司は、既に送付してあった本宮大社と那智大社の作品の資料を良く見て頂いていた様子です。今日初めて、速玉大社に奉納する作品「ごとびき岩の神火」エスキースをご披露しました。
宮司は少し乗り出し、私達に「これは明らかに他の二つと違いがありますね。何だかわかりますか?」と質問を投げかけました。私達がすぐに答えられずにいると、宮司は壁に飾ってある火祭りの写真を指差し、このように説明されました。
「他の作品には人間や神武天皇の目等が描かれているが、ごとびき岩には全く人間が描かれていません。ご神体であるこの山は人間が生まれる前の黎明期に神が降り立ったので、人間を寄せ付けない力を放っています。火祭りでも松明を持ち登っていく時は人間界の俗の心もちでも、ひとたび神様の火を頂くとその瞬間に誰もが畏怖の念をもち神と成り替わり降りて行きます。私は今回の奉納作品にどうか人間を描かないで欲しいと願っていたんです。ありがたいご提案です。」
塩澤はそのお言葉を頂き、自分自身が神倉の山に登りごとびき岩に純粋な縄文のエネルギーを感じ他の何物も必要が無いと思ったと語りました。その後二人はマハ―ボデイ寺院の共通話題で盛り上がりました。
遅れて来られた金山教授と古田先生も会議に加わり歓談が続きました。
その晩、熊野学会の地元の皆さんに中華料理屋さんで速玉大社、上野宮司様のご快諾をご報告し皆さんにも喜んで頂きました。
さあ、いよいよ11月に向けて世界遺産熊野三山に揃って奉納画を発表出来ます。
その晩宿泊したホテルの部屋の窓を開けるとごとびき岩が見守っていました。