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この日は、仏教講演会に神道の八坂神社の野村宮司が講演されると聞き、会場の知恩院を訪れました。
宮司の最初のご挨拶が「極楽様です!」で、会場は少しざわつきました。日本では“お疲れさま”が当たり前のように使われているが、疲れる(つかれる)という言葉は、憑かれる(つかれる)と同じ言霊で、毎日使うべき言葉ではない。
楽(らく)すなわち“楽しい事”を極めると書く極楽が毎日の仕事や生活の挨拶にふさわしい。とのご説明に深く納得!
本日のテーマは、祖先のまつりにおける仏教と神道の違いを理解し、日本人は信仰の精神を取り戻す必要があるという事です。
今では仏教のお葬式が一般的ですが、仏教が伝わる前の日本は、古来より死去を人間から神の領域へ帰ると捉えていた神道の考え方が殆どでした。
家族が亡くなった時、守護神となって見守ってくれるのだから、生きるという事は大切な努めであると考えて来た。つまり死に出会うことでどのように生きるかを考えるきっかけとなっていたわけです。
今日では、お葬式は御経も祭詩も唱えないセレモニー化し、お墓も始末してしまう事が新しい習慣となりつつあります。それは一方で、御霊との繋がりを無くしてしまい、「生きている今さえよければ良い」という考えになってしまいます。人間から信仰を無くしてしまうことは人間ではなくなるのだと野村宮司は会場の皆さんに問いかけました。
生きる事の大切さを伝えるには、死をどのようにとらえるかが重要であり、神道の祭祀を通してその本質に触れる事が出来ました。
極楽さまでした!