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10月22日、23日の二日間に渡り京都文化会議が京都仁和寺にて開かれました。
初日“大内の間”にて: 進化するAIと文化、変化する自然環境と文化をテーマに登壇者が発表。


テーマ「文化xAI」では、文化を五感に分け、AIは人間が持つ五感の感覚にどこまで近づけていけるか、AI専門分野の代表が文化との関連性について次々と発表された。


香りをセンサーとAIで記録して再現する「臭覚」研究取り組みでは、数値としての再現は出来ても、その場所の空間や時間の流れが加わって初めて香道という文化となるのであり、文化のレベルまで再現するのは難しいと述べられた。また、「触覚」をロボット技術で研究しているが、誰にどんな間柄で触れられるかは異なり、技術だけでは埋められないと述べた。
テーマ「文化x環境」では、次世代の若者達が中心となり地球環境課題を自分事として作りたい未来を行動で変えていく試みを発表。


4人の学生さんが、*京都市のゴミの量を減らす運動で未来予測、*小豆が大好きでその文化を語る、*昔ながらの焼き畑農業循環を例に環境を守る地球規模の対話の場が重要、*「一日文化休暇」を取る重要性を訴える、などなど、一人5分の素晴らしい発表をしていった。


最後のコロンビア大学在学の佐藤匠さん率いるAIエキスパートチームから、同大学卒の大谷蓮さんが登壇。彼は、現在インターナショナルスクールの教育指導を日本の寺子屋を参考にAIシステムを開発した事業家でもある。彼らの提言は、他の発表者と一線を画すものだった。


塩澤は彼らをサポートするために“Ask the Earth”という作品を制作した。

彼らは、人間だけが環境を作っているのではないとして、動物達の視点から、人間社会と未来の意思決定を問い直すオオカミをAIで登場させた。真神オオカミは文化・思想・哲学の視点から価値観を問い返し、人間に戒めと警鐘を鳴らす。AIオオカミは科学的事実や研究、データから人間の問に答える。

約30年前に京都会議が行われ、環境について話し合われたが、それは人間中心主義ではなかったか?動物に聞いてみよう!という人間ならではの発想が、AIによって動物達の声をこの会議に届けた。次世代の取り組みは素晴らしい。

翌23日は、普段は廊下までで入室は出来ない「宸殿の間」で行われた。
仁和寺の創建51代目のご住職である瀬川大秀様がご挨拶
20世紀は激動する時代の転換期であり、不確実な時代に重要なことは「祈りの力」と人と人を結ぶ「文化の力」である。京都文化会議が多様な人々が集まり共に考える機会になると期待していると述べた。
本日の会議は、AIを単純にネガティブにとらえるのではなく、AIが進み成熟する循環を作る中で異なる文化を作りえるのか?3人のパネリストが自分の見解を述べる等、長時間にわたり、AIと文化のテーマについて語られていった。

そして、ゴリラ博士として有名な山極壽一氏がコーディネートするパネルディスカッションが行われた。

ガーナ出身の大学教授、アメリカ人のリサーチエコノミスト、ベトナム人の遺伝子研究員、日本の幼稚園経営する園長、等がパネラーとして並びそれぞれの国や専門分野から文化とは何かを訴えた。
移民で多様な国の文化が混ざるアメリカ合衆国における文化とは?
植民地化される歴史を辿るアフリカガーナの文化とは?
なかなか簡単にまとめられない難しい問いでもある。
彼らの言及をフォローする山極氏のオリジナルコメントはとても印象に残る。
●どの時代でも人間は神話をつくる動物で、神話と文化は親和性がある。
●美や愛が教育に盛り込まれることが重要でそれが文化を作っていくのかもしれない。
●人間だけでなく生き物全てに文化は成り立っている。人間の文化だけでなく広く文化をとらえて守っていく必要がある。●動物の立場から考えると人間は言語に頼りすぎていないだろうか?●日本人は言葉ではなく芸術によって文化を伝承してきた。
レセプションパーティーでは、舞妓さんや、白拍子の踊りも広い庭園の中で行われた。仁和寺のライトアップされた庭園は息を飲む程美しい。日本の文化を改めて素晴らしいと感じるひと時であった。





私達は、山極先生とお話する機会に恵まれ、各国のオオカミの違いや大きさについて等、動物中心ではあるが興味深いお話をいくつも聞くことができた。

彼は一つの言葉から数えきれない程の引き出しを持っていて、え~っ!と驚く知識が次々と引き出されてくる。とても魅力的な人物です。


そして私達は、知らない事が山ほどあると痛感する。

本日は覚えきれない程の専門家達による、とらえきれない程の多様な視点からの発言が広がりましたが、刺激的な会議であったと思う。